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箪笥二さおの巻

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片付けの仕事をしております。

自宅で整理収納サロンをしたり
個人宅のコンサルティングもしております。

人数が集まれば出張での整理収納教室や

企業様よりのイベント講師もお受けしております。




今日は、個人宅のお片づけのお話。


「タンスの整理をしたいんです。」

という事で行ってまいりました。




亡くなられた方の衣類。
大好きなお母様が亡くなられ
三回忌の法要を済ませ、
心の整理がついたというお話でした。


アラ70の男性のお客様。

ご自身のお部屋に
お母様のタンス。
ご自身の服はプラスチックの衣装ケースに。
引き出しタイプではなく、
深い、蓋をするタイプでしたので
収納が面倒くさくなり、あちこちに山積み。
又は壁に沿って針金ハンガーに吊るしまくり。

洗濯済みかそうでないかもわからず
どこからどうしたらいいのかわからない
という事でした。



1人で、衣食住はキチンとされています。
家事もしっかりされて

得意料理は茶碗蒸しだそうで
料理の話や洗濯の話で盛り上がれる楽しい紳士です。


片付けだけはどうしても…
とおっしゃるので
「片付けは、今ようやく家庭科の教科書に載ったというほど
取り入れられるのが遅いんです。
習ってませんので、できなくて当たり前なんです。
私も、片付けられない人でしたが、やり方がわかれば出来て、
よその家までしゃしゃり出るようになっちゃいました。」

すると、安心されたようで

ハッハッハーと笑い

穏やかな雰囲気で始めました。

息子さんもわざわざお休みをとってお手伝いくださり、
「すごく勉強になります!」と言いながら
積極的にご参加。



あっという間に



イメージ 1


コレだけの不用品。
と言うか、これは一部ですけれど、
布ものだけでこの量です。

一部、リサイクルに回せるモノがあるので

ソレをお伝えする事で気持ちよく手放せると
おっしゃって下さいました。



亡くなったお母様のモノは
黙々と一枚づつ確認しながらゴミ袋か
リサイクル用の箱へ。

こういう場合大抵お金や貴重品が出てくるので
しっかり中を確認しましょう、と言った途端

ピンピンの夏目漱石サンが数人出てこられ
小銭もジャラジャラ。貴金属や、通帳やご祝儀袋など。

トラブル防止のため
私は絶対に触らないようにしている部類ですので
指差して確認していただきました。



何もかも全て処分したらいいというものではありません。
この方が子どもの頃に来たという着物。
「記憶にある!コレ、わしがきたやつや!」
お母様との大事な思い出の品だという事で
タンス引き出し1つ分を思い出引き出しとして
可愛いサイズの年代物お着物や、他に処分はどうしても、
と迷うもの、手放せないモノをまとめました。

そして、息子さんに
「わしが死んだら処分していいからな」
と。
後から息子さんが
そういう風に事前に伝えてもらえると
気持ちが楽でいいですね、とおっしゃってくださいました。

タンスの中身をすっきり整理してから
ご自身のお洋服を一枚一枚手に取り
要不要、今、きているかきていないか
分別し、着るものだけを収納します。

本人はそう思っていなくても

客観的に見ると…と言うものが結構あります。
息子さんや私の目で
「いやー!これはどうでしょうか!?穴空いてますよ~」
「袋に入った新品がこんなにあるのですから、
こっちを処分して新品出さないとそれこそ勿体無いですよ~」
「穴が空いた靴下をとっておくと、
なぜか大事な場面でその靴下が当たりますよ~」
などワイワイとお喋りしながら
(これ、実際体験されたようで「そうそう!」と、
爆笑されすぐに処分の判断ができました)

畳み方、タンスの中の並べ方、モノの持ち方
買い換えの手順、持つ枚数の基準など
お伝えしました。

タンスに収納する習慣が無かったので
ラベルを貼って慣れるまではそこにしまう、ということも
息子さんと一緒に確認しました。
ラベルを息子さんに書いてもらいましたので
お父様も嬉しそうでした。




タンス2つ分すっかり整理し
1つはタンス自体も処分できるように。

あるはずなのに無い、が無くなりそうだと
感想を教えてくださいました。

終了後
美味しいコーヒーを入れてくださり
時間があったら喋って行って!と
お菓子もつぎつぎと出してくださり

お父様、息子さんと私

3人で
お片づけの話や
お母様との思い出なども聞かせてくださいました。

物が置いてあるときは
なんとなく重い思い出だったけれど
処分して本当に自分が残したい品だけ残す事で
軽い、良い思い出だけに整理できたようです。






心の重さは

表情や態度、全てに現れます。

帰りに

「ありがとう!」と
作業で疲れているはずなのに
元気に笑顔で
私に栄養ドリンクを手渡してくださったお顔は
「本日は宜しくお願い致します」と
始める前に挨拶させて頂いた時とは
別人のようでした。









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